日頃のお手入れ
障子は白いため目立ちにくいのですが、気付かないうちに埃が付き、放っておくとどんどん溜まってしまいます。
少なくとも週に一回は、ハタキや毛足の長いハケで、上から埃を落とすようにしましょう。
障子もふすまも、敷居の溝にも埃が溜まりやすいので、掃除機の細口ノズルなどを使って吸い取ってください。
それでも隅の方の埃が取りきれず、いつも掃除しているのに滑りが悪い…ということもあります。定期的に綿棒などを使って、くまなく汚れを除去するとよいでしょう。
また、障子もふすまも煙が苦手です。日常の注意事項として、すぐ近くではタバコを吸ったりしないようお気を付けください。
白木部分のお手入れ(障子)
障子の周りの枠(框・かまち)は、白木製です。濡れた雑巾や化学雑巾を使うと、障子の白木部分に水分が染みて変色したり反ったりする原因となりますので、桟の部分や白木部分の汚れは柔らかい布でから拭きして取ります。
年に2回ほど、白木部分全体に白木用ワックスを塗るメンテナンスをおこなうと、汚れや埃がつきにくくなり、障子が長持ちします。
引き戸部分のお手入れ(障子・ふすま)
障子・ふすまの引き戸部分は、長く使ううちに手垢で脂っぽくなったり、黒ずんだりすることがあります。
から拭きで汚れが取れない場合には、中性洗剤を薄めた水に浸した布をかたく絞って拭き取ります。
汚れを取ったあとは、必ずきれいな布で洗剤もしっかりと吸い取って、表面に洗剤や水気が残らないようにしてください。
ガラス付き障子のお手入れ(障子)
雪見障子などのガラスは、定期的にガラス専用クリーナーや、車のフロントガラス用クリーナーを使ってお手入れすることで、いつもきれいな状態を保てます。
その際、ガラスクリーナーを直接ガラスにスプレーすると、白木部分に染みて傷むことがありますので、必ず布の方にスプレーしてから拭くようにしてください。
日焼け・黄ばみが気になったら
時間の経過とともに、障子紙やふすまが日焼けしたり、黄ばみが気になってくることがあります。
障子紙の場合、交換に適した時期(張り替え後4~5年程度)であれば交換するのが一番なのですが、まだあまり年数が経っていない場合や、部分的に気になるというときにおすすめな漂白方法があります。
使用するものは、霧吹きとキッチン用漂白剤、洗濯のり。
コップ一杯の水に、キッチン用漂白剤小さじ2杯、洗濯のり小さじ1杯分を混ぜます。
よく混ざったら、そのまま霧吹きに注ぎます。
ふたを閉じてもう一度よく振ったら、障子紙・ふすまに吹き付けます。(障子は白木部分にかからないよう、気を付けながら吹き付けてください。)一度おこなうだけで、かなり見た目が違ってくることでしょう。
何度も吹き付けると障子が破れてしまったり、ふすまの表面の紙がふやけてしまったりしますので、スプレーは1箇所につき一度で十分です。
障子に穴が空いてしまったら
障子の一部が破れてしまったとき、応急処置としてガムテープが貼られることも多いですが、ガムテープだとやはり如何にも補修しました、という感じになってしまいますし、見栄えも美しくありません。
その代わりにきれいな和紙や可愛い補修シールなどを貼ると、同じ補修でもまったく印象が違ってきます。
破れてしまった部分だけでなく、全体にいくつかバランスよく貼るようにすれば、アクセントのようで違和感も薄くなります。
補修シールはシートからはがして貼るだけのものが多く、ホームセンターなどで手軽に買うことができます。
障子の張り替え
障子の張り替えは、少なくとも5年に一度はおこないましょう。
張り替える日は、晴れた日よりも雨の日がおすすめです。
雨の日というと掃除などには適さないイメージですが、実は障子の張り替えにはぴったり。
適度に湿気があることで、障子紙が湿気を吸って伸び、張り替えたあとにきれいに仕上がります。
いざ交換となったら、古い障子紙をはがす前に、汚れや埃を落としておくと後がラクです。
十分に落とせたら、スポンジに水を含ませて(酢水を使うとはがしやすくなります)、障子紙をまんべんなくよく濡らします。
10分程度そのままにしておくとふやけて、端からスルスルとはがせます。
化学糊が使われている場合には剥がれにくいこともあり、無理にはがそうとすると木の部分を傷めてしまうこともありますので、無理せず丁寧にはがしてください。
障子紙を張り替えるタイミングで同時に障子の珊もしっかりお手入れすると、全体がすっきり綺麗になります。
古い障子紙がすべてはがせたら、柵の部分全体を拭きましょう。水に浸してかたく絞った布で拭き、その後乾かします。しばらく陰干しして、全体に風を通すのもよいでしょう。
よく乾いたら、広いハケで糊を塗り、障子紙のロールを転がして上から一段ずつ貼り付けていきます。
すべて貼り付け終われば、雨の日ならそのまま置いて完了。晴れた日や乾燥した日などは霧吹きで水を全体に吹きかけることで、最後に紙がピンと張ってきれいに仕上がります。
また、障子の張り替えが終わったら、しばらく乾かしたあとに薄く溶いた寒天を障子紙に塗っておくと、これだけで障子紙が破れにくくなります。