加茂(新潟県)
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まさに一級品の存在感。「加茂桐箪笥」を深掘り
数ある桐箪笥(桐たんす)の中でも、格段のブランド力を誇る加茂桐箪笥(かも桐たんす)。でも、いったいいつから作られるようになったのか?どんな風に作られているのか?いざ聞かれると、いまいちピンとこないですよね。ということでここでは、日本を代表する伝統工芸品である加茂桐箪笥にフォーカスし、その歴史や良さなど簡単にご説明していきます。さらに、今現在加茂桐箪笥をお持ちの方や、一風変わった加茂桐箪笥がほしい!という方に向けて、加茂桐箪笥のリメイクやお買取のこともお話していますので、気になる方はぜひ最後まで読んでみてくださいね。
加茂桐箪笥とは?大事なところサラッとまとめ
加茂桐箪笥は、桐箪笥(桐たんす)の中でも特に新潟県加茂市、および周辺の地域で作られている桐タンスのことです。現在国内で流通している桐箪笥のほとんどが加茂製と言われており、当店で扱っている中古の桐タンスの中にも、加茂産のものが多くあります。桐箪笥(桐たんす)と言えば、加茂の桐タンスを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。加茂桐箪笥の歴史。職人の魂が息づくまち、加茂
新潟県加茂市は、三方を山に囲まれ総面積の実に7割にあたる土地が山間地帯という、木材資源に恵まれた土地です。加茂の郷土民謡、「加茂松阪」の一節でも「加茂は機(ハタ)どこ、箪笥の出どこ、筬(オサ)と槌(ツチ)とが呼びかわす」と歌われるように、古くから箪笥の町、また織物の町として栄えてきました。 木工をやるにはまさにうってつけと言える加茂で箪笥が作られるようになったのは、今から220年ほど前の江戸時代、天明の頃のこと。(天明の大飢饉の、あの「天明」ですね) 指物師であった丸屋小右エ門という人物が、大工仕事のかたわらで杉材製の箪笥を作ったのが始まりとされています。その後1820年頃には、加茂産の桐箱や桐箪笥(桐たんす)が河船によって輸送され、東北地方でもその存在が認知されるように。明治の初めごろにはさらに交易の範囲が広がり、主に北海道から東北を対象に、盛んと桐箪笥が出荷されました。 ちなみに、現在の桐箪笥(桐たんす)では一般的な塗装方法である「夜叉塗装」が誕生したのは、昭和初期と言われています。桐材の持つ優れた特性を最大限にいかして作られる加茂桐箪笥は、職人の手仕事による高い技術が認められ、1976年に伝統工芸品の指定を受けました。
良いものを作るためには手間を惜しまない。加茂桐箪笥の作り方
加茂桐箪笥は、原木の切り出しから製品の完成まで、一貫して一つの工場で作業を行うのが特徴です。伐採された原木は3年もの間天日に当てられ、ゆっくりと確実に乾燥させます。こうすることで、材の変色や狂いを防ぐのだそう。その後、ベテランの職人の目利きによって材の選定・板切りが行われ、各部材が組み立てられますが、組み立てには木釘を使用するほか、部材と部材の接合部にはさらに強度をもたせるため、日本の伝統的な技法「蟻ほぞ組み」が施されます。これにより、ちょっとやそっとではびくともしない堅牢なボディが出来上がるんですね。
外枠の組み立てが終わると、引き出しや扉などの各パーツの加工に入ります。桐箪笥(桐たんす)のせっかくの気密性を損なわないよう、パーツはあえて外枠よりも大きめに作り、少しずつ削りながらぴったりのサイズに微調整する徹底ぶり。先のほぞ組み同様、こうした細かいところに職人の繊細で丁寧な仕事が垣間見えます。
パーツの加工まで終わったら、あとは塗装と金具の取り付けを残すのみ。木目を引き立たせるように浮造りかけをし、砥の粉とヤシャブシの実を混ぜた混合液で、表面をハケ塗りしていきます。塗装をしっかり乾燥させた後は、木目に沿って蝋をまんべんなくかけて仕上げ。最後に、桐箪笥(桐たんす)を飾る引き手などの金具類を取り付ければようやく完成です。
同じに見えるけど実は違う。加茂桐箪笥の種類
こうして手間暇かけて作られる加茂桐箪笥には、大きく分けて「衣装箪笥」「整理箪笥」「洋服箪笥」の3つの種類があります。どれも衣類を収納するための桐タンスという点は共通していますが、仕様に微妙な違いが。さっそく一つずつ見ていきましょう。
▼衣装箪笥▼
桐箪笥(桐たんす)の中でもおそらく最もポピュラーなのが、このタイプ。上部に衣装盆、下部に引き出しという衣類収納に特化した作りで、着物はもちろん洋服などもしまっておけます。衣装盆はパッと見深さがあまりないように思えますが、通常は着物2・3枚程度なら問題なく収納できるだけの深さがあるので、衣装持ちの方でも安心。和装をよくされる方にはピッタリの桐箪笥です。
▼整理箪笥▼
衣装箪笥に比べ、より汎用性が高いのが整理箪笥。最上部に引き違い戸が備わった作りのものが多く、バッグやアクセサリーなど雑多な小物類をしまっておくのに丁度良いです。横幅いっぱいの引き出しは、夏物の薄手のTシャツから冬物のニット類まで、ついつい増えてしまいがちな洋服をまとめて収納できるのが嬉しいですね。
▼洋服箪笥▼
洋服箪笥はその名の通り、洋服収納を目的として作られた桐タンスです。イメージとしては、和室で使えるワードローブといった感じでしょうか。観音開きの扉を開くとパイプが通っており、ハンガーを掛けられるようになっています。奥行も高さも十分なので、丈の長いワンピースやボリュームのあるコート類など、畳んでしまうのが難しい衣類を楽に収納できます。
とまあ、それぞれのポイントはこんなところ。和服が多いなら衣装箪笥、ハンガーで収納したいなら洋服箪笥、和洋関係なく収納力重視なら整理箪笥、という具合にそれぞれに使いやすさがありますので、桐箪笥(桐たんす)にしまいたいものと量を考えながら選ぶのがおすすめですよ!
加茂桐箪笥のここが良いところ!
元来桐には、外部の湿度が高くなると湿気を入れないように膨張し、逆に乾燥していると通気を良くするために収縮する特性が備わっています。つまり、内部の湿度を常に一定に保ってくれるんですね。高温多湿の日本においては、桐のこの特徴は衣服を保管しておく上で、大変重宝されてきました。そんな桐の元々の特性に加え、加茂桐箪笥の引き出しは前述の通り、職人が少しずつ少しずつ削ってサイズを合わせていくので、薄い紙1枚がやっと通るぐらいの抜群の気密性を誇ります。あまりに気密性が高すぎるゆえに、引き出しを閉じると別の引き出しがススッと押し出されてくる、なんて加茂桐箪笥あるあるが存在するぐらい。それだけピタピタに作られているにも関わらず、開け閉め自体は驚くほどスムーズなのがまた、加茂桐箪笥のすごいところでもあります。 また、見た目の面ではその木肌も大きな魅力と言えるでしょう。加茂桐箪笥の木肌は独特の艶があり、まるで絹のようとも評されるぐらい美しく滑らかです。その繊細な仕上げゆえ、長い間使用しているとどうしてもくすんできてしまうのがちょっと残念ではありますが、そんなときは表面を削ってもらえばOK。加茂桐箪笥の作りは非常に頑丈ですので、そういったお手入れをしながら大事に使い続けることで、何年経っても変わらず美しい姿を楽しむことができます。
加茂桐箪笥の修理・リメイクをお考えならラフジュ工房へ
さて、ここまで加茂桐箪笥の何たるかをお話してきました。読み進めるうちに、「加茂桐箪笥って良いな」「ほしいな」と思ってくださった方もいらっしゃるかもしれません。ただ、実際に中古の加茂桐箪笥を購入しようと思ったら、中古だけどちゃんと使えるの?という点が気になりますよね。その点、当店ラフジュ工房なら元々の風合いはいかしつつ、実使用に支障があるようなところはしっかりお直ししていますので、高品質リペアの済んだお品なら安心してお使いいただけます。もっと言うと、当店ではリペア(修理)以外にリメイク加工も行っていますので、例えば「色を変えてほしい」だったり、「サイズを変えてほしい」なんてご要望にもお応えすることができるんですよ。ベースは気に入ったけどもっとここがこうだったらな…という自分の中の理想形がある場合には、ぜひお問い合わせください。 また、お手持ちの加茂桐箪笥をリメイクしたい、という場合でも当店ならご対応可能です。上下段を分割して脚を付けたり、板戸をガラス戸に変更したり、お好きな取っ手に交換したり、いかようにもリメイクできますので、ご自宅やご実家に持て余している加茂桐箪笥があるという方は、一度検討してみてくださいね。(もちろん、リペアだけでも承っています!)
桐箪笥リメイク実績はこちら ▶▶ 桐箪笥(桐たんす)リメイク実績












































